伝統空手「沖縄の誇り」 世界遺産登録へシンポ


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沖縄伝統空手の未来について語るパネリストの(左から)嘉手苅孝夫氏、田名真之氏、東恩納盛男氏、喜友名朝孝氏=22日、那覇市の琉球新報ホール

 沖縄伝統空手の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録に向けた取り組みについて意見交換する「沖縄伝統空手シンポジウム」(沖縄伝統空手道振興会主催、琉球新報社共催)が22日、沖縄県那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれた。空手団体や識者、県の関係者が登壇し、ユネスコ無形文化遺産登録について「沖縄の誇りになる」と実現の意義を共有した。約350人が来場し登壇者の意見に聞き入った。

 基調講演で登壇した稲嶺恵一・元沖縄県知事は、沖縄伝統空手の無形文化遺産登録について「学術的に分析した資料が少ない。地道に積み上げていく必要がある」と指摘。「ブラジルの格闘技カポエイラも無形文化遺産に登録された。空手も多くの可能性がある」と語った。

 意見交換で国際沖縄剛柔流空手道連盟の東恩納盛男最高顧問は「沖縄文化で最も普及しているのは空手」と述べ、沖縄伝統空手道振興会の喜友名朝孝理事長は「伝統空手を保存、継承するためにどうしても遺産登録したい」と強調した。

 県立博物館・美術館の田名真之館長は「空手は日本を代表する武術だ。文化的価値は高い」と指摘した。県文化観光スポーツ部の嘉手苅孝夫部長は「沖縄伝統空手の素晴らしさを広め、遺産登録へ着実に進めたい」と意欲を語った。