囲碁で世界と触れ合う 盲学校に〝特製碁盤〟 柿島さん、寄贈し指導


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「立体囲碁アイゴ」の使用方法を指導する柿島光晴さん(左)=18日、南風原町の県立沖縄盲学校

 囲碁を通して世界と触れ合ってほしい―。アマチュア四段で日本視覚障害囲碁協会代表理事の柿島光晴さん(40)=東京都在住=が18日、沖縄県南風原町の県立沖縄盲学校(村吉和枝校長)を訪れ、特製の碁盤「立体囲碁アイゴ」を寄贈した。

 全盲の柿島さんは視力の有無にかかわらず囲碁を楽しんでもらおうと、全国に67校ある盲学校を一校ずつ訪問し、碁盤を寄贈する活動を続けている。沖縄の学校への寄贈は初めて。

 これまでも視覚障がい者向けの碁盤はあったが、利便性の向上を求める声が多かった。最新型のアイゴはプラスチック製で、碁盤の目が立体的な作り。裏側に溝を切った碁石をはめ込むため、盤面を乱さずに触覚で碁が打てる。碁石の色は黒石の表面に突起を付け判別できるようにした。

 柿島さんは、指先で陣形を読み取る囲碁が「脳の活性化にも生かせる」と述べ、積極的な活用を呼び掛けた。

 また、柿島さんは、アジア諸国の生徒にも呼び掛け、毎年5月に全国盲学校囲碁大会を開催している。「来年はぜひ、沖縄からも初出場者を出してほしい」と述べ、県内の競技人口者の増加に期待を寄せた。

 贈呈式後の体験会で初めて囲碁に挑戦した保健理療科1年の仲村渠亨さんは「頭の中で碁石の配置を描くのが難しかったが、練習してみたい」と話した。