沖縄県観光収入増加も一人当たり消費額が減少しているのはなぜ? 


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観光客らで混雑する那覇空港=2017年5月

 入域観光客数がハワイを超える957万9千人を記録したことを背景に2017年度の県観光収入が約6700億円に達し、過去最高を更新した。一方、入域観光客数の増加と反比例するように、1人当たり消費額は2年連続で前年割れとなり、入域観光客数の増加と比べて、観光収入の増加傾向が鈍化していることが表面化した。

 この傾向が続けば21年度の観光収入1・1兆円という県の目標達成もほど遠い。今後は消費額増加に向けて観光客の滞在日数増加が図れるかが目標達成の鍵を握りそうだ。

 1人当たり消費額減少の理由について、県は宿泊施設を利用しない外国海路客の増加や国内客の滞在日数の減少が一因とみている。実際、国内客の17年度の平均滞在日数は3・75で、16年度比0・03日減少した。

 滞在日数減少はわずかにみえるが、旅客がピークで国内客の平均消費額が9万434円と高額な7―9月期の滞在日数は0・14日減少しており、消費額を押し下げた。わずかな滞在日数の増減でも消費額に大きく関わっていることを示しているとみることができる。

 県によると、1日当たりの平均消費額は沖縄もハワイも2万円ほどであまり変わらない。しかしハワイの滞在日数は8・95日だ。さらなる観光収入増には滞在日数の増加が重要だと分析している。

 観光客の宿泊長期化につなげるため、沖縄の島と島を結ぶ周遊観光やリゾートウエディングやMICE誘致など高付加価値メニューの必要性を指摘しており、観光客のニーズを踏まえたより一層のメニュー多様化が必要になりそうだ。(仲村良太)