雨にたたられ、連日の順延 頭痛い高野連、選手、保護者 夏の甲子園県大会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
雨が小降りになったころを見計らって、グラウンドの排水作業に汗を流す補助員校の生徒ら=5日午後、沖縄セルラースタジアム那覇

 第100回全国高校野球選手権記念沖縄大会の2回戦が、台風7号以降に続く降雨の影響で連日、順延の憂き目に遭っている。5日は那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇など3球場5試合が6日に持ち越し。中でも首里東―浦添商は当初予定から1週間順延となった。7日から開始予定の3回戦を前に、ぎりぎりまで2回戦を行う事態に、県高野連関係者は「雨でこんなに順延したのは記憶にない」とはらはら。「よい環境で試合をさせたい」と選手本位を第一としながらも、試合の迅速消化も図る必要があり、日程設定に苦慮する。一方、連日仕事などをやりくりして駆けつける選手の保護者らも順延続きに「(会社を)首にならないか心配」と苦笑しながら6日の好天を願った。

 首里東―浦添商の2回戦は当初、6月30日に予定していた。そこから待つこと6日目のこの日も順延となり、そろいの紫のシャツを着た浦添商の20人ほどの親たちに落胆と苦笑が重なった。保護者の一人、前原麗子さんは「(浦添商は)2年前にコールド負けした。絶対に応援で後押ししたい」と空を見上げた。

 「親が一番大変」と浦添商の宮城隼人監督は話す。生徒らも連日、学校とその日の会場を行ったり来たりの日々だ。「選手らは多少の待ち疲れもあるが、早く試合がしたい。大雨でも雷でも『なし』と決まるまではやるつもりでいるよう伝えている」と引き締めた。約15年の野球部監督歴でもこんなに長く待つのは「初めて」と言う首里東の川満亨監督。「しょうがない。選手にもいい経験になる」と前向きに捉えた。

 コザしんきんでの第1試合が流れた中部商業。比嘉照人主将は「1日からほぼ毎日朝6時に学校に集合し、球場に来ている。チームのモチベーションを保つのは大変だが、いつでも試合に臨める準備をしていきたい」と意気込んだ。

 県高野連の前川等副理事長によると仕事を休みながら出場する球審もいて、やりくりにも四苦八苦しているそう。平日の日程についても「選手を一番に考え、グラウンドのよい状態で試合をさせたいが、試合も消化しないといけない」と悩ましい胸の内を語り、天候の回復を願った。