「ろうそく能」幻想の舞台 琉球新報ホール、きょうまで


この記事を書いた人 琉球新報社
観客に能を堪能させた「紅葉狩・鬼揃」の最後の場面=16日、琉球新報ホール(上原修撮影)

 琉球新報新本社ビル落成記念公演「おきなわ文化の祭典 大琉球浪漫」シリーズ第4弾、「ろうそく能~幽玄への誘い~」が16日、沖縄県那覇市の琉球新報ホールで始まった。17日まで。「ろうそく能」の県内公演は初。観世流シテ方能楽師の坂井音雅さん(重要無形文化財「能楽」保持者)と坂井音隆さん(同)、狂言師の野村萬斎さん(同)らが出演し、観客を幻想的な世界に誘った。

 能「紅葉狩・鬼揃」の前には、本舞台と橋懸かりの周囲に置かれたろうそくを模した明かりを点灯する「火入れ式」が行われた。明かりと共に暗闇の中へ舞台が浮かび上がると、情趣に富んだ光景に客席から感嘆の声が漏れた。

 平維茂の鬼退治を描く「紅葉狩・鬼揃」では音隆さんが、美女の姿であでやかに舞い、やがて激しい舞へと変じ荒々しい本性をのぞかせる鬼神を演じた。