信号停止、障がい者危険 那覇市実証実験 沖視協に連絡なく


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実証実験で信号機が停止した浮島通りと国際通りの交差点=21日、那覇市松尾

 那覇市が実施する市松尾の浮島通りと国際通りが接続する交差点の信号機を停止させる実証実験について、市が県視覚障害者福祉協会に事前に説明をしていなかったことが21日までに分かった。実験では歩行者の音響機付き信号を停止しており、松尾にある同協会に通う会員が横断歩道を渡る際、危険を伴なう状態を強いられている。市は19日に同協会に謝罪した。

 同協会の知花光英会長は「計画段階で説明があるべきだ。元の信号機に戻してほしい」と話している。

 実証実験は交通渋滞緩和を目的に、18日から2019年1月18日まで、車両用と歩行者用の信号機を停止している。市都市計画課によると実証実験に関し、浮島通り周辺の店舗や住宅に事前に文書を配布したほか広報誌などで周知したが、同協会に事前説明をしていなかった。18日、同協会に向かう会員が信号の音が鳴らないことに気づき、実証実験を知った。

 市都市計画課は「協会への周知を忘れていた。本当にご迷惑をかけた」と謝罪した。

今後は歩道の花壇を取り除き、ドライバーから歩行者を見えやすくし、同協会と意見交換をしながら歩行者向けの対策を検討するとしている。

 同協会の施設は1日70~80人が利用する。特に松尾バス停から向かう人が実験中の横断歩道を通るが、信号機が停止したために横断歩道を渡るタイミングが分からず、通行人の補助で通った人もいた。知花会長は「協会員の通行が多い道で事前説明がなかったことが残念。エンジン音が小さい車もあり、車の音だけで判断し渡るのは危険」と元に戻すよう求めた。