しまくとぅば講師養成へ 普及センター、10月講座開始


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講座について説明する波照間永吉センター長(左から3人目)ら=3日、那覇市

 沖縄県しまくとぅば普及センターは10月から、しまくとぅば講師養成講座を開始する。しまくとぅばの研究者などを講師に迎え、地域や学校でしまくとぅば教育を実践できる人材を育てる。初年度は基礎知識を学ぶ「初級編」を開講する。8月1日から受講者を募集している。3日開かれた記者会見で、同センターの波照間永吉センター長は「危機的状況にあるしまくとぅばの復興に向け、地域の担い手を育てたい」と意気込みを語った。

 県内では主に市町村の文化協会などが中心となって、地域のイベントや学校でのしまくとぅば教育を実施している。地域に住む高齢者などが、ボランティアで講師を務めることが多い。同養成講座で若い世代の講師を育て、各地の教育が継承できるようにするのが狙い。

 初級編は10月6日に第1回の講義が行われる。1月下旬までに全31コマの講義を行い、発声や文法、表記などのほか、沖縄の歴史、民俗などについての知識を総合的に学んでいく。

 講師は沖縄国際大学の西岡敏教授(言語学)、琉球大学の中本謙教授(日本語学)、高良倉吉琉球大学名誉教授(琉球史)ら。講義は県立芸術大学付属研究所で行われる。

 2019年度からは初級編と同時に中級編も実施する予定。中級編は中南部、北部、宮古、石垣、与那国の5地域のしまくとぅばを話せる人が教壇に立ち、各地域の言葉を指導する。20年度からは上級編も開始。会話や文章の組み立て方など実践的な指導を行う。

 初級編は受講無料で16歳以上が対象。応募締め切りは9月14日。申し込み、問い合わせは県しまくとぅば普及センター(電話)098(988)0411まで。