神森、うれし涙の凱旋 中学ハンド全国2冠


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 全国中学校体育大会のハンドボール大会で優勝し、春の全国大会と合わせて県勢初の2冠の偉業を達成した男子神森中学校ハンドボール部が22日、那覇空港に凱旋(がいせん)した。保護者や県ハンドボール協会、高校の指導者らも出迎え、快挙を祝福。友利彬彦監督は「誰も辞めることなく全員でいい形でゴールを迎えることができた。保護者や指導者、県協会、みんなの力で勝ち取った優勝です」と語り、喜びを分かち合った。

後輩や保護者が出迎えるなか帰沖した伊禮颯雅主将(先頭)ら神森のハンドボール部のメンバー=22日夜、那覇空港

 2冠の重圧に押しつぶされることなく、全員で努力した日々を大会にぶつけ、圧倒的力で全国制覇を果たした神森中男子ハンドボール部。凱旋のあいさつを終えた後、うれし涙が選手や保護者、コーチらにも広がり、最後は全員で握手し抱き合い、有終の美を飾った喜びを何度もかみしめた。

 主将の伊禮颯雅や親泊寛粋、照屋慶剛、照屋拓実らは小学校時代は神森の単独チームに加え、県選抜メンバーとしても頂点に立った。今年の2冠と合わせて4度目の全国制覇を果たしたが、「どの優勝よりも、今回が一番うれしい」と口をそろえる。

 その理由を、友利彬彦監督をはじめコーチ陣全員が「団結力の強さ」と語る。メンバー登録外の3年生、松本稜人、具志堅愁真、大浦兼周、嘉陽田貴一、長嶺志温、湧川友裕、久場川理人ら7人がコートに立つ選手を支え、その思いをメンバーが勝利で応えた。注目選手以外にも「ベンチスタートメンバーの方がガツガツ攻めていた。このチームはすごい」と多和田真尚コーチも振り返る。

 春の全国制覇以降、負けたのは興南高校との練習試合のみという、ハンドボール王国浦添にふさわしい最強世代だが、誰一人気取ることなく同じ目線で笑い合う。常に全員ハンドを体現した選手を、那覇空港で出迎えた前監督の屋良徹教諭や小学校時代から3年生を支えてきた西原聖氏や伊禮尚武氏は何度もたたえた。

 喜びも一段落した後、友利監督が再びメンバーの前に立った。「全員でいい形でゴールしたな。やばいな。この最高の体験を皆に伝えような」。続いて1、2年生に向き直り「練習はきついこともあるが同じように努力すればいい結果が付いてくるぞ」と期待を寄せた。「このチームは最高です」と異口同音に語る3年生。その姿に、2年生で唯一、登録メンバーに入った東江慶は「自分らも全国制覇を成し遂げたい」とその背中を追い掛ける。

全国頂点の色輝くメダルを手に、優勝を祝福されながら写真に収まる神森中ハンドボール部のメンバー=22日夜、那覇空港