ソウファ剤で木材守る!ニットー産業(南風原)が製品化 沖縄県内50件超で施工実績


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ソウファ剤の説明をするニットー産業の宮城秀樹社長(右)と宮城秀孝氏=22日、南風原町宮平

 ニットー産業(南風原町、宮城秀樹社長)は木材用の防腐・防蟻剤(ソウファ剤)を沖縄県内で広めている。防虫効果や防腐機能があるため木材の長期保存ができ、火にも強いという。

 金沢工業大学の露本伊佐男教授が開発した技術で、その技術をアベ・ホーム(埼玉県)と協力し、製品化している。

 ソウファ剤はホウ酸塩が主成分の水溶液で、木材に塗ったり、虫が侵入しやすい場所に噴霧して使う。塗布した3週間後のシロアリの死亡率は100%との試験結果が出ている。

 従来の防虫剤は農薬系の薬剤を使っているため、人体への影響も懸念された。ソウファ剤は日本建築総合試験所で実験を行い、有毒物を含んでいないことを実証した。無機物で、人間などの腎臓機能を持つ動物には無害だという。

 木の色や香りを変化させないのも特徴だ。

 また従来の市販品は揮発性のものが多く、5年ほどしか効果が持たないのに比べ、半永久的に効果が持続するという。

 2017年4月に日本木材保存協会の認定を受けてから、県内の50件以上の建築物を手掛けてきた。学校施設のほか、糸満市のコメダ珈琲店の建設でも同製品を使ったという。

 宮城社長は「県内で、ソウファ剤を取り扱っているのは自社だけだ。今後は独自の技術で準不燃材を作りたい」と意気込んだ。