事件事故、タクシーが通報 タクパト、県内初運用 24時間稼働を生かす


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 沖縄総合事務局は29日、防犯機器を車内に設置したタクシー(通称・タクパト)の出発式を那覇市の同事務局駐車場で開いた。タクパトにはタブレット端末やドライブレコーダー、GPS(衛星利用測位システム)などが設置されている。運転手が事件・事故を目撃したり、犯罪被害を受けたりした場合に、位置情報や動画データなどを即座に事業所と警察に通報できる。

 県ハイヤー・タクシー協会と県警が協力し、10月末までにタクシー400台に導入する。県内初の取り組み。事件・事故の発生時にタブレット端末に表示される「通報」をタッチすると、1分間の動画記録と位置情報が警察とタクシーの事業所に送信される。通報は「不審者」や「交通関係」など6項目から内容を選んで送ることもできる。

 タクシーは、24時間稼働している唯一の公共交通機関で、日中だけでなく夜間の防犯にもつなげる。県内のタクシー事業所11カ所にWi―Fiを設置し、録画記録などのデータを送ることができるシステムも構築中だ。

 県ハイヤー・タクシー協会の東江一成会長は「事件・事故のデータを集め、社内の交通安全指導につなげることもできる」と期待を込めた。沖縄総合事務局の能登靖局長は「タクシーが見ているということを周知し、県民の安全、安心を確保したい」と話した。