佐喜真氏、玉城氏、発言に「未来」多用 知事選立候補予定者


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討論会開始前、がっちりと握手を交わす(左から)佐喜真淳氏、玉城デニー氏=5日夜、南風原町中央公民館

 30日投開票(13日告示)の沖縄県知事選は、前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=と衆院議員の玉城デニー氏(58)による事実上の一騎打ちの構図となっている。出馬表明会見など公の場での両氏の発言を読み解くと、いずれも「未来」という言葉を多用し、死去した翁長雄志知事の「遺志を継ぐ」と表明するなど、同じようなフレーズを発言している。

 「いちゃりばちょーでーの精神」「対立から対話へ」。佐喜真氏は、名護市辺野古の新基地建設を巡り、政府との関係が冷え込んでいる現状をさまざまな場面で批判している。政策の実現は「沖縄だけでできるものではない」として「対話」という言葉をキーワードに政府との信頼関係の回復を掲げ「県民の暮らし最優先」を打ち出す。

 一方、翁長知事の後継者として県政与党が支援する玉城氏もさまざまな場面で政府との対立に触れ、「分断を持ち込んでいるのは国だ」と安倍政権を批判する。翁長知事が多用した「イデオロギーよりアイデンティティー」を掲げ「県民の生活が第一」として「自立と共生の沖縄」「新時代沖縄」を前面に打ち出している。

 知事選最大の争点である米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、佐喜真氏は危険性の除去が原点として「普天間飛行場の一日も早い返還」を訴える。一方、翁長知事の遺志を継ぎ、基地負担軽減に取り組むとも表明している。玉城氏は、翁長知事の遺志を継ぎ、辺野古新基地建設阻止を掲げる。また佐喜真氏と同様に「一日も早く普天間を閉鎖返還するよう国に要求する」としている。