「矛盾」「逃げだ」舌戦 知事選討論会 2氏、互いに熱く


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多くの報道陣が詰め掛けた県知事選立候補予定者の佐喜真淳さんと玉城デニーさんの討論会=11日、那覇市旭町の県市町村自治会館

 「矛盾がある」「表現できないのは逃げだ」。30日投開票の沖縄県知事選に向け、県市町村自治会館で開催された県政記者クラブ主催の討論会。立候補予定者である前宜野湾市長の佐喜真淳さん(54)と衆院議員の玉城デニーさん(58)は、米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設を巡り火花を散らした。報道陣に囲まれ、緊張した面持ちで会場入りした両氏は、笑顔で握手した後は終始厳しい表情に。相手の発言に時折うなずいたり、首をかしげたりしながら、熱のこもったやりとりを繰り広げた。

 両氏が互いに質問するクロス討論では、質問をぶつけ合った。

 玉城さんが佐喜真さんに対して「新基地建設に反対なのか。賛成なのか」と追及すると、佐喜真さんは「SACO合意の原点である普天間飛行場を一刻も早く返還することが何よりも重要だ」と強調した。

 これに対して玉城さんが「SACOは辺野古移設も含む」と反論。「再編交付金を受ける整合性が選挙で問われるべきだ。矛盾する」と眉をひそめ、辺野古移設への是非を明確にするよう求めた。

 佐喜真さんは玉城さんに那覇軍港の浦添移設について「推進の立場でいいか」と質問。玉城さんは「移設ありきでなく、クルーズバースなど全体の計画で捉える」と移設協議会の推移を見守る姿勢を繰り返した。

 これに対して佐喜真さんは「そうじゃない。推進するかによって協議会の中身が変わる」「クルーズ船とは違う」と何度も追及。「今、表現できないのは逃げだといっても過言ではない」と首をかしげた。

 主催した県政記者クラブからの質問は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題に集中した。

 佐喜真さんは「(普天間飛行場を)返還できるという自信がある」と訴えた。討論会中に計8回「私ならできる」などと述べ、返還への自負を見せた。

 一方、玉城さんは「あらゆる手段を行使して、新基地建設阻止に向け、断固たる対応をする」と、翁長雄志知事の遺志を継承していくことを強調した。