琉球銀行 海外送金を厳格化 資金洗浄の防止図る


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 琉球銀行(川上康頭取)はマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ組織などへの不正送金といった金融犯罪を防止することを目的に、海外送金の際の確認を厳格化している。

 3日に取り組みを始めた。従来の送金目的の記入に加え、貿易取引ならば請求書や原産地証明など、生活費なら依頼人と受取人の関係性を確認できる戸籍資料などの裏付け資料を提出する必要がある。内容についての聞き取りもして、疑問のある場合は追及する。持参した現金や送金依頼直前のおおむね1週間以内に口座に入金された金の海外送金はできなくなっている。

 9月下旬以降は、県外の住所の法人が口座を開設する場合に、従来の本人の身分証明書と登記簿謄本に加え、県内の事務所の実在を証明する公共料金の領収書などの提出を求める。琉銀の職員が実際に営業所を訪ねて確認するケースも想定しているという。法人口座は個人口座に比べ多額の金の出入りがあっても目立ちにくく、犯罪や不正に活用されることも想定されるため。今後は県内法人の口座開設も同様に取り扱う。新規に法人口座を開設する場合、即日の開設が難しくなるという。

 日本など35カ国・地域が参加する国際機関のFATF(金融活動作業部会)は日本に対してより厳しい対応を求めており、琉銀リスク統括部の臼井幸太上席調査役は「日本全体で国際基準に合わせた厳格な基準にするよう取り組む必要がある。お客さまには負担を掛けるが、犯罪収益をシャットダウンするためにもご理解をいただきたい」と話す。

 沖縄銀行(山城正保頭取)も近く同様の取り組みを始める予定という。沖縄海邦銀行(上地英由頭取)は「資金洗浄やテロ資金供与対策の適切な対応をするため、さらなる厳格化に向けて検討中」としている。