国の天然記念物のジュゴン=2008年3月、名護市嘉陽沖(ヘリから撮影)

 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設工事を巡り、日米の環境保護団体が絶滅危惧種ジュゴン保護のため工事の差し止めを求めているジュゴン訴訟で、原告らは24日、請求を棄却した8月の米サンフランシスコ連邦地裁判決を不服として、連邦高裁に控訴した。高裁は受理の可否を近く判断する。

 原告の1人、生物多様性センター(CBD)のピーター・ガルビン氏は「これがジュゴンを救う最後のチャンスかもしれない。裁判所は米軍に法律を順守させ、ジュゴンの絶滅を回避させるべきだ」と声明を出した。

 米国防総省を相手に2003年に提訴した同訴訟を巡り、連邦地裁は15年2月、司法が関われない政治的問題などとして、申し立てを棄却。控訴審は17年8月、地裁判決を破棄して原告の主張を認め、地裁に差し戻した。

 しかし、提訴後初の実質審理となる公開審理を経て結審した今年8月の差し戻し審は、米国家歴史保存法(NHPA)に基づく手続きについて、「被告は(工事が)ジュゴンに与える影響について十分考慮していた」として、米政府の主張を認めた。