沖縄県知事や那覇市長を歴任し、知事在任中の8月8日に急逝した翁長雄志前知事=享年67=の冥福を祈る県民葬(同実行委員会主催)が9日午後2時から4時まで那覇市の県立武道館で執り行われる。開場は午後1時。沖縄の日本復帰後の県内政界を代表する政治家として、長年にわたり沖縄の振興発展と福祉の向上、基地問題の解決に尽力した功績をたたえる。県民葬は一般参加の献花式で営まれ、玉城デニー新知事が実行委員長として式辞を述べる。
県民葬は屋良朝苗氏、西銘順治氏、大田昌秀氏の歴代知事に続いて4回目。現職知事の死去に伴う県民葬は初めて。政府からは安倍晋三首相の代理で菅義偉官房長官、宮腰光寛沖縄担当相が出席する。
実行委は県や県議会、市町村長会、県経済団体会議など8団体で構成。式では翁長氏にゆかりの深い那覇市の城間幹子市長、経済界から県経済団体会議の石嶺伝一郎議長、友人代表として金秀グループ会長の呉屋守将氏が追悼の辞を述べ、在りし日の翁長氏をしのぶビデオ放映に続き、一般参列者の献花に移る。
翁長氏は那覇市議会議員、県議会議員を経て2000年から那覇市長を4期12年務めた。14年12月に県知事に就任。1期目の任期満了を前に膵臓(すいぞう)がんを患い、志半ばでこの世を去った。
基地問題では、国土面積の0・6%にすぎない沖縄に全国の約7割の米軍専用施設が集中する理不尽さを全国に訴え、世論を動かした。名護市辺野古の公有水面埋め立て承認の撤回を死去直前に表明するなど、政府が推し進める辺野古新基地建設を阻止する姿勢を最後まで貫いた。