「県系人拠点、22年めどに」 設置支援委、来月にも知事へ要請 移民名簿データベース化も


この記事を書いた人 大森 茂夫
「世界ウチナーンチュセンター」(仮称)の設置案について話し合う支援委員会の三木健共同代表(左から奥3人目)、大山盛稔共同代表(同5人目)ら=27日、浦添市

 海外や県内外に住む県系人のネットワークをつなげる県内の拠点「世界ウチナーンチュセンター」(仮称)の実現を目指す同センター設置支援委員会(高山朝光、三木健、大山盛稔共同代表)は11月中にも、同センターを設置するよう求める要請書を玉城デニー知事に提出する。2021年の第7回世界のウチナーンチュ大会までに、基本的な方針や計画を固めて大会参加者に報告し、沖縄の日本復帰から50年に当たる22年をめどに完成するよう早期の着手を求める。

 同委員会は8月下旬に県議会や県に同センター設置を要請した。9月以降も会合を重ね、センターの具体的な機能などを盛り込んだ設置案の策定を進めており、新たに就任した玉城知事にも要請する方向で調整している。

 同委員会の設置案では、移民の歴史をまとめる移民博物館や県系1世の慰霊碑、官民で協力し県系人の人脈や情報網をまとめるウチナーンチュネットワーク統括室を設けることが盛り込まれている。県系人がルーツを調べることができるように移民名簿のデータベース化も目指す。国内外の県系人の若者が集まれるカフェやライブハウスも提案する。

 27日に開かれた会合で共同代表の大山さんは「海外のウチナーンチュが沖縄に来た時、集まれる場所、むーとぅやー(本家)がない。私たちが一つになって取り組まないといけない」と設置の意義を訴えた。

 共同代表の三木さんは「海外のウチナーンチュの心のよりどころとなり、沖縄との橋を懸ける拠点だ。県内にある(県系人の)交流団体が横の連携を取る場にしたい」と指摘した。県民向けには「海外のウチナーンチュがどんな歴史を持っているのかが分かるような場にもしたい」と強調した。