本部港復旧3月末 塩川地区 完了まで新規使用できず


この記事を書いた人 大森 茂夫
台風24号で被災したとみられる岸壁=2日、本部港塩川地区

 台風で半数の岸壁が破損している沖縄県の本部港塩川地区の復旧工事の工期が来年3月末までを予定していることが28日、分かった。県は27日、同地区の復旧工事を発注した。台風被害を受け、岸壁の使用許可を出す本部町は28日時点で「新規の船の受け付けは復旧工事が終わらない限り認められない」との方針を示している。使用許可が工事後になる場合、新規の船は3月末まで港を使用できない見通しだ。

 沖縄防衛局は同港から米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設工事での埋め立てに用いる土砂の搬出を計画している。現在、辺野古への土砂搬出に伴う岸壁使用許可は下りていない。使用許可が工事後になる場合、本年度中の土砂搬出が難しい情勢になった。

 県は当初12月初旬に国の査定を受け工事を発注する予定だったが、早期復旧のため発注を前倒しした。発注後は12月12日に入札を実施し、入札が順調にいけば契約は12月中旬になる見通し。その後に工事に入る。県は「工期は前後することがある」と説明している。

 県の担当者は「業者の工法次第で、現在使用可能な岸壁に制限がかかる可能性もある」と示唆した。

 同地区では9月末に本島地方に接近した台風24号の影響で六つある岸壁のうち三つが破損した。

 本部町は22日付で県に対して港の早期復旧などを求める要請書を送っている。県は「管理者の責任として可能な限りの早期復旧を目指す」としている。

 一方、辺野古への土砂搬出を担当している業者は28日、岸壁使用許可申請書を本部町に対して内容証明郵便で送付した。
 (塚崎昇平、嶋岡すみれ)