宮古島市議会否決へ 市長「尊重しつつ慎重判断」 県民投票


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
総務財政委員会で、県民投票管理費を削除した修正案を採決する委員ら=10日、宮古島市役所平良庁舎

 【宮古島】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票について、宮古島市議会の総務財政委員会(山里雅彦委員長)は10日、実施の事務費用として市が提案した予算案を賛成少数で否決した。与党多数の同市議会で、与党議員らが予算案反対の立場で意見をまとめており、18日の本会議でも否決する見通し。

 総務財政委員会で否決されたのは、投票管理費についての補正予算1382万3千円を計上した予算案。県民投票の費用を削除した修正案は野党の委員1人が反対したが、与党5、中立1の6委員が賛成し可決した。予算案に反対した議員からは「先の知事選で既に民意は示されている」「多額の費用を使ってまで実施する必要性は感じられない」などの意見が出た。

 宮古島市議会の定数は24で、与野党の構成は与党系17人、中立系2人、野党系5人。市議会与党市議団の棚原芳樹会長は「(予算案に)反対の立場で意見はまとまっている」としており、本会議でも反対する方針だ。

 委員会での予算案否決を受け、下地敏彦宮古島市長は「本会議でも否決されるかどうかは現段階では分からず、(否決された場合の)再議についての判断は今はできない」とし「議会の意思は尊重しながら、その時に慎重に判断する」と述べるにとどめた。