社会

「怖い先輩、断れない」 特殊詐欺 県内少年ら摘発 関係性利用し勧誘

 関東周辺で被害者からキャッシュカードや現金をだまし取る特殊詐欺事件に絡み、詐取金を回収する「受け子」として関わった疑いがあるなどとして、沖縄本島中南部の17~20歳の少年ら十数人が摘発され、うち4人は県警や他県警に逮捕された。少年らはいずれも地元の同級生や知人で、背景に関与を断りにくい状況があった。

 「『やりたくない』とは言い切れなかった」「怖い先輩」。少年たちの供述からは「しーじゃ(先輩)」と「うっとぅ(後輩)」の上下関係が透けて見え、受け子を勧誘する「リクルーター」で指示役の少年A(18)=詐欺未遂・窃盗容疑で逮捕=の存在が浮かび上がる。

 少年Aは少年らを「短期間でもうかる仕事がある」「建築の仕事がある」などと誘った。特殊詐欺グループは東京への旅費を払い、住まいを提供した。少年Aをはじめ少年8~十数人は、東京都内にある賃貸マンションの2LDKに住み込んだ。台所にも布団を敷いて雑魚寝する状態だったが、少年Aだけは4畳半の部屋に居住していたという。

 受け子に携わったことを後悔した少年の一人が沖縄に帰りたいなどと願い出ると、「代わりの者を呼べ」と求められることもあった。一方、少年らは特殊詐欺への関与で報酬を受け取ってはいないという。

 捜査関係者は「金もうけの甘い言葉に乗り、逃げられない状況になってしまった。仕事や学校に行っていない社会経験の乏しい少年をピンポイントで誘っているとみられる」と上位組織の手口を指摘する。

 県警は特殊詐欺に安易に関わらないよう注意を呼び掛けるとともに、事件の全容や特殊詐欺グループの上位組織の解明を急いでいる。
 (金良孝矢)

………………………………………………………………

<用語>特殊詐欺

 電話などで相手を信頼させ、キャッシュカードや現金を直接受け取るなどして、不特定多数から金をだまし取る犯罪。組織性が高く中核メンバーを中心に、電話を繰り返しかけて被害者をだます「かけ子」、金を直接受け取る「受け子」、口座から引き出す「出し子」などの役割に分かれている。



関連するニュース






  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス







  • 他のサービス