キングス逃げ切る 渋谷に77―71 Bリーグ第25戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区)は22日、沖縄市体育館でサンロッカーズ渋谷(東地区)と今季第25戦を行い、77-71で勝利した。通算成績を19勝6敗とした。点取り合戦の中で先行したキングスだが、渋谷の堅い守備にスチールを許すなど、徐々に追い上げられ、前半は34-32と互角の展開となった。激しい攻防は第4クオーター(Q)まで続いたが、キングスは連係からジェフ・エアーズのシュートのほか、果敢に飛び込むリバウンドで流れをつかむと、最終盤に引き離し、渋谷のファウルゲームを振り切った。

 次戦は23日午後0時35分から、同体育館で渋谷とホーム2戦目を行う。

▽(沖縄市体育館、3336人)
キングス(19勝6敗)
 77-71(16-16,18-16,25-23,18-16)
SR渋谷(12勝13敗)

 【評】序盤からゴール下はジョシュ・スコット、ミドルでは古川孝敏が点を稼いでキングスが先行したが、ペイントエリアを固めた渋谷に追い上げられ、第1Qから接戦になった。キングスもゾーン守備を多用し、オフボールから厳しいマークを見せるなど激しい攻防を見せた。後半まで互いの戦力がぶつかる中、キングスは攻守のリバウンドで勝機を引き寄せ、粘る渋谷に勝利した。

◆タフな試合だった

 佐々宜央HC(キングス)の話 こちらの手の内を知るむーさん(伊佐勉)を相手にタフな試合だったが、ギリギリで勝てた。若い選手がジャッジに対して感情的になったことで、相手にフリースローを与える場面などがあり、ゲームを左右することになってしまった。

◆守備の遂行力落ちた

 伊佐勉HC(渋谷)の話 レベルの高いクロスゲームだったが、うちは守備の遂行力が落ちる時間帯があり、琉球はそこをごまかせる相手ではなかった。借金(黒星)が増えたので、明日は借りたものを返す。試合前はブーイングがきたらどうしようと思った。歓声に恥ずかしい感じがして、手を上げるのも控えた。

◆「かつての仲間」退ける/伊佐HCと山内に苦戦

琉球―渋谷 第4Q 渋谷の山内盛久とせめぎ合う岸本隆一(右)=22日午後、沖縄市の沖縄市体育館

 キングスとの関係が深い伊佐勉HCと山内盛久がいる渋谷は「手の内を知る相手」。厳しい試合となったが、攻守で計12リバウンド上回り、勝利を逃がさなかった。佐々宜央HCは「リバウンドと守備の約束事を守っていることで苦しい試合も勝てている。これが一番大事」と勝因を語った。

 点取り合戦の序盤から、琉球の攻め手を防ぐ渋谷の攻撃にボールが回らなくなり、相手外国人選手を勢いづかせ接戦となった。17得点16リバウンドと活躍したジェフ・エアーズはダブルチームで警戒されたが、「積極的にいくことで、あえて相手を引き付け、黒子に徹した」と味方に好機をつないだ。

 試合を通して並里成や須田侑太郞、古川孝敏らが泥臭く攻める一方、流れを持続できず、岸本隆一は「渋谷の守備を前に攻撃の連係がスムーズにいかなかった」と振り返る。伊佐HCのキングス対策や山内がマッチアップしてきたことに「嫌な所を突いてきたが、逆にむーさんのやりたいことを熟知している分、やり返した」と語った。

 途中出場が増えた岸本だが、最近は重要な場面を任される機会が増える。「シーソーゲームの終盤にコートに立つことが自分のモチベーション。ここ一番の場面では結構燃えています」。かつての仲間を相手にしても、強い気持ちで2連勝を狙う意気込みを見せた。
 (嘉陽拓也)

◆「最高の舞台だ」渋谷の山内感慨/昨季開幕以来の対戦

 昨季の開幕戦以来、古巣のキングスと対戦し、県内ファンの大歓声を浴びた渋谷の山内盛久。試合後「最高な舞台で(キングスの選手として)7年間プレーさせてもらっていたことを、改めて実感した。また、成長してこの体育館でゴールデンのユニホームを着て試合したい」と、しみじみと語った。

 岸本隆一や金城茂之のほか、並里成が戻ってきた懐かしいキングスは「自分もそうだが、以前よりレベルアップしている。バスケとしてやりがいがあった」と話した。アウェーで1敗したが「今日は勝ちを成と隆一にあげたが、明日は渋谷が取ります。自分のできることを精いっぱい出し切る」と巻き返しを誓った。