46年続いた中華の名店 「河童軒」再開、行列も復活 野間口さん父娘 もちもちギョーザ自慢


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 【名護】1972年に創業し、46年間続いた名護市城の「中華料理 河童軒」が店を畳んで半年余り。市民らに愛された店がこのほど、「餃子の河童軒」となって新たにのれんを掲げた。もっちりとした手作りギョーザの味は変わらない。名店再開に行列もできるほどの盛り上がりを見せている。

河童軒を再開した野間口福男さんと娘の美希さん=名護市城

 河童軒は春季キャンプで名護を訪れるプロ野球日本ハムの選手や芸能関係者をはじめ、市内外から多くの人が訪れる人気店だった。昨年4月、店のマスターが高齢のため閉店を決めた。

 しかし、店でギョーザを22年間焼き続けた野間口福男さん(58)と娘の美希さん(30)は「今までのお客さんがもったいない。閉店後、『河童軒』で食べたいとよく言われた」と、店を引き継ぎたいと申し出て、了承を得た。それから半年間、開店に向けて準備してきた。

 福男さんは中国出身で、7歳のころからギョーザを作っていた。以前の河童軒ではギョーザ担当として、毎日ギョーザを焼き続けた。河童軒のギョーザは皮も中身も手作り。もちもちっとした食感で、中はぎっしりと肉が詰まった肉汁たっぷりのジューシーな味わいが特徴だ。福男さんは「体が覚えている。河童軒が好きだった人がたくさん来て『良かったね』って喜んでくれる」と笑う。

 昨年11月にオープンしてから、ギョーザは1日100人前以上の注文がある。美希さんは「注文が間に合わない」と笑顔を見せる。今は人手が足りず午前0時で閉店する。だが、今後、店が回るようになったらランチや深夜営業も視野に入れる。店舗の場所は移動したが、看板や内装は河童軒のものを引き継ぎ、当時のままだ。

 メニューは以前よりも少なくなったが、ニンニクたっぷりのスタミナラーメンは定番メニューとして健在だ。美希さんは「ギョーザとスタミナラーメンは自信がある。新たな河童軒となっていい物を提供していきたい」と意気込んでいる。スタミナラーメンは700円、ギョーザは6個入り500円。水曜定休。問い合わせは(電話)0980(43)9670。