沖縄大学は28日、玉城デニー知事を講師に招いた講義を開いた。法経学部の学生ら約250人が聴講した。玉城知事は生い立ちや政治家になったきっかけを語り「小さな経験の積み重ねが、未来をどう変えたいかを考える基となる。今しかできない経験を大切にしてほしい」と呼び掛けた。
自立と共生、多様性を基本理念に掲げる玉城知事。“ダブル”を理由にいじめにあった時、母親から「とぅーぬいーびや、いぬたきやねーらん(10本の指はすべて違う)」と言われたことが心に残っているという。
2009年の衆院選に民主党(当時)から出馬し初当選した。自民党から政権が変わったことに触れ「国民が転換を求め、政治が動いた。皆さんの考えが政治を動かす」と強調した。
学生から「県民投票の結果を国は重視してくれるのか」と問われると、「法的拘束力はないが、県民の意思をはっきりと主張することができる。政府の判断材料になると思っている」と答えた。法経学科1年の北山龍誠さん(19)は「選挙に興味が出るきっかけになった。もっと話を詳しく聞きたかった」と語った。