投票し現状動かして 徳島の市民ら 那覇でPR


社会
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 辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票を支援しようと「県民投票を勝手に応援する会(OKOK)」の伊勢達郎さん(59)らが徳島県から駆け付け、那覇市内で30日、プラカードを掲げ市民に「投票に行こう」と呼び掛けた。伊勢さんらは、2000年に徳島市で実施された吉野川可動堰(せき)を巡る住民投票で市民団体の中心メンバーとして投票への呼び掛けに奔走。建設反対の民意が示され、事業計画の中止につながった。

県民投票への参加を呼び掛ける徳島県から駆け付けた伊勢達郎さん(左)ら=30日、那覇市

 OKOKは徳島市の住民投票を実現させたメンバーらが発足させ、全国に賛同者が広がっている。今回の来県ではカンパを集めて制作したプラカード計2千枚を「辺野古」県民投票の会に寄付した。

 吉野川可動堰計画の賛否を問う住民投票は、住民の直接請求による条例案が市議会で一度否決されたものの、2カ月後の市議選で議会勢力が逆転し議員提案で可決された。建設推進派の投票不参加(ボイコット)の呼び掛け運動もあったが、投票率は55%に達し反対が投票者の9割を占めた。

 伊勢さんは吉野川可動堰を巡る住民投票のように議会など政治家が住民の直接請求を阻む構図は、今回の沖縄の県民投票とも重なるという。「住民投票は政治家が本当に市民に向き合っているかを浮き彫りにする。民主的な政治を高めるためにも大切な機会だ。国も国民も無視することはできない。賛否いずれにせよ一つの議題を問い、結果で現状を動かしてほしい。私たちも応援したい」と話した。