着ない制服、必要な人に リサイクルショップ「サンタのお家」 無料配布「子どもに笑顔を」


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サンタのお家の照喜名守代表(中央)とサンタ見習いの前田小百合さん(右)、阿波連咲江さん=那覇市天久のサンタのお家

 着ていない制服、たんすに眠っていませんか―。不要になった学校制服を回収し、必要な人に無料配布する社会貢献型リサイクルショップがある。沖縄県那覇市天久のサンタのお家(シャイニング、照喜名守代表取締役)だ。照喜名代表(47)は「子どもの夢をかなえるサンタクロースのように、沖縄中の家庭を笑顔にしたい」と話す。

 店内は飾り付けされたクリスマスツリー、木製の椅子と暖炉が置かれ、サンタクロースが住んでいるような雰囲気がある。“サンタ見習い”として店で働く前田小百合さん(35)は「サンタクロースには諸説あるが、貧しい家族のために何かしたいと動いたのが始まりだと知った。沖縄の子どもたちに必要な物をプレゼントする店にした」と話した。

 店では「サンタのお家プロジェクト」として、寄付してもらった学生服の無料配布を行う。制服は那覇市を中心に県内の幼小中学校、高校80校の約2500着がそろっている。学生服を受け取る時は、学生本人と店に行くか、学生証など年齢を確認できる物を持参する。多くの人にプレゼントできるように、学生に必要な数だけ持ち帰るように呼び掛けている。

店内には制服がずらりと並ぶ。夏服、冬服、ネクタイなどの小物もそろう
幼稚園の制服やかばん、帽子なども取りそろえており、寄贈も募っている

 照喜名代表は中学時代、衣替えの日に制服の用意が間に合わず、学校を1週間休んだ経験がある。「母にもらったお金を持って職員室に制服を取りに行く恥ずかしさや、一人だけ着用できなかったむなしさがあった。自分と同じ思いをする子どもを一人でも減らしたい」と語った。

 サンタのお家は制服のほか、学生服やランドセル、筆記用具などのプレゼントを毎月行う。2月のプレゼントはランドセルで、現在希望者を募っている。応募は2月9日まで。当落は抽選で決まる。赤や黒のほか、人気がある水色や紫色も用意する予定。

 サンタのお家に持ち込まれた衣料品や家電、貴金属などをオークションサイトに代理出品し、落札された価格の3割を依頼者に還元する。4割は寄付金として、沖縄の子どもたちへのプレゼント購入費に充てる。「出品にかかる送料が高いと売上金がほとんど残らない。まだ使える不用品の寄付は大歓迎だ」と話した。

 今後は「子どもたちがサイズを選べるようにもっと制服の数を増やしたい」と照喜名代表。前田さんは「思い出がつまった制服は簡単に捨てられない。処分に迷ったらお店に持ってきてほしい」と呼び掛けた。

 商品の持ち込み・寄付の問い合わせは(電話)098(943)8630(前田)。プレゼントの応募方法は、サンタのお家のホームページから無料通信アプリLINE(ライン)の友だちに登録し、抽選に参加する。同店のホームページはhttp://santa.okinawa/

 

店の奥には寄付品コーナーがあり、おもちゃなどを自由に持ち帰ることができる
無料配布の運動着