街頭で手を振る首長も 戸別訪問、路上呼び掛け 投票率向上目指し運動活発化 県民投票まであと2日


社会
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家々を回り、県民投票への参加を呼び掛ける連絡会のメンバー=21日、沖縄市内

 県民投票まであと2日に迫った。埋め立て反対を訴える新基地建設反対県民投票連絡会は、戸別訪問や街頭での呼び掛けに力を入れている。

 沖縄市では21日も同市支部のメンバーが戸別訪問で投票を呼び掛けた。この日は市比屋根と桃原にある5地区で約1500枚のビラを配布した。メンバーらは「地縁血縁など複雑に事情が絡む選挙と比べ、拒否反応は多くない」と投票行動につながればと期待する。

 南城市支部は20日夜の会議で、低調な投票率への危機感を共有した。「知事選と違って盛り上がりがない」と話す。戸別訪問では「基地で潤っているんだから」「もう造られている」と投票には行かないと言われることも多いという。宮城康博市議は21日朝、「投票率が6割に届かないかもしれない。最後の最後まで頑張ろう」と“三日攻防”へ発破を掛けた。

反対への投票を呼び掛ける瑞慶覧長敏南城市長=21日、南城市

 前回1996年の県民投票は、市町村の機関委任事務として広報費の一部が市町村に交付され、首長らが投票率向上へ懸命に取り組んだことも功を奏した。しかし今回は条例で知事が広報活動を行うと定められ、広報経費は市町村に交付されないため、市町村独自の取り組みは弱い。一方、賛否を明確にして投票を呼び掛ける首長や独自に広報を行う自治体も出てきている。

 瑞慶覧長敏南城市長は21日朝、埋め立て反対を訴える市民と共に街頭で呼び掛けた。瑞慶覧市長は「県民には静かな怒りがあり、強行する政府に対する怒りは、確かに結果に出てくるはずだ」と予想する。豊見城市の山川仁市長は18日、フェイスブックで投票を呼び掛け、期日前投票したことを報告。「沖縄県に新しい基地は『必要ない』と考えています」と率直に思いを記した。一方、与那原町では町長が防災無線や電光掲示板での呼び掛けを指示し、投票率向上に向けて取り組んでいる。