映画ヒットでクラブ盛況 クイーン熱に浮かされて


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英ロックバンド「クイーン」の「ボヘミアン・ラプソディ」を熱唱するフィリピン人のコピーパンド「プリズム」=5日夜、沖縄市の「クラブ・クイーン」

 【沖縄】英ロックバンド「クイーン」の軌跡を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」の世界的ヒットを受け、沖縄市ゲート通りの「CLUB QUEEN(クラブ・クイーン)」が連日、大にぎわいをみせている。客の目当ては、クラブの専属で、フィリピン人6人組のバンド「PRYZM(プリズム)」だ。クイーンなど1970、80年代のロックの名曲を余すことなく奏でる実力派バンドで根強い固定ファンに加え、映画を見て足を運ぶお客さんが増えている。

 クラブ・クイーンは現在、バンドメンバーのビザ取得のため約1カ月間、休店している。

 休店を前に最後のライブとなった5日は、平日にもかかわらず満杯に。プリズムの熱い演奏に浮かされた客の熱気が深夜まで続いた。

 「(映画の)反響がすごい」とオーナーの豊里満さん(62)。上映前でも週末は混み合っていたが、映画公開後は「3割増しで増えた」と言う。70、80年代のロックの名曲に加え、邦楽ロックもレパートリーに加わり、「週末入れない店」とちまたで話題だ。

 客層にも変化が出ている。以前は40~60代がメーンだったが、昨年12月ごろから20、30代と若い世代も市内外から来るようになった。豊里さんは「ここに通った客の子どもが映画を見て通うようになり、親子の常連客もいる」と話す。

 この日、映画を見てクラブ・クイーンに初めて来たという我那覇佑一さん(20)=沖縄市=は「映画に出てきた雰囲気そのままで最高」と興奮冷めやらない様子。両親から紹介され来たが「ここでクイーンの曲を聴いて、また映画館に行きたい」と鳴り響く音に体を揺らし夜を楽しんだ。

 プリズムが好きすぎて、同店スタッフとして働く宮里めぐみさん(42)は「コピーバンドでありながら、オリジナルを超える実力の持ち主」と語り出すと止まらない。

 営業再開は4月5日午後8時からで、プリズムのライブは同9時から。問い合わせは(電話)098(932)8863。
 (上江洲真梨子)