八重芸の絆これからも 解散式で島々の芸能次々披露


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歌や踊りなどで盛り上がり、50余年の歴史に幕を閉じた八重山芸能研究会の解散式=9日夜、那覇市泉崎の琉球新報社1階ロビー

 八重山芸能の発掘・保存・継承に取り組んできた琉球大学の学生サークル「八重山芸能研究会(八重芸)」の解散式が9日、那覇市の琉球新報社で開かれた。1967年の発足から約50年続いた同会の最後を一目見ようと、県内外のOBや在沖郷友会、関係者ら100人以上が集まった。現役最後の部員となった鳩間千華さん(20)=石垣市=は「八重芸で生まれたつながりはずっと続く」と話した。

 解散式は祝儀舞踊「赤馬節」で幕を開けた。約3時間の式中、あいさつもそこそこにOBが鳩間島の「鳩間中岡(なかむり)」、西表島の「仲良田節」、新城島の「くいぬぱな節」、竹富島の「竹富のクイチャー」など島々の芸能を次々と演じた。

 幕あいには、県外や海外のOBや関係者から届いたメッセージが紹介された。八重芸の舞台を10年以上見てきた沖縄関連イベント情報誌「箆柄暦(ぴらつかこよみ)」の萩野一政主宰も言葉を寄せた。

 式の最後に「弥勒節」を歌い終えると、学生時代に同会で部員として活動した後、顧問を務めた山里純一琉球大名誉教授が「長い間お疲れさまだった。八重芸の絆をこれからもつなぎ一緒に深めていこう。ありがとう」とあいさつした。参加者は瞳をうるませながらも笑顔を絶やすことなく「やらよう節」を歌い、長年続いた同会への誇りと感謝を胸に青春時代を過ごしたサークルの幕を下ろした。

 八重芸は、2018年度の部員が4年生3人と2年生1人の計4人になったことから、昨年末に廃部の方針を決定した。