リーゼント歴35年 元〝ツッパリ〟が実体験を描いた絵本を小中学校で読み聞かせ 軽妙な語り口と「感謝」「挑戦」の教訓が好評


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テレビの大画面に絵本を映しながら読み聞かせをする翁長良龍さん=2月22日、沖縄市立比屋根小学校

 【中部】リーゼント歴35年の元“ツッパリ”が、実体験を描いたかわいらしい手作り絵本で読み聞かせ活動に奔走している。「リーゼント良龍」こと翁長良龍さん(49)=うるま市、車販売=は、3年前に活動を始め、今では小中学校から引っ張りだこだ。笑いを誘う軽妙な語り口と、「感謝」や「挑戦」といった教訓を伝える絵本の道徳的な内容が魅力だ。

 子どもが通う、うるま市立中原小学校で妻の和美さんが読み聞かせをしていたことがきっかけで、翁長さんも活動を始めた。

 学生の頃は“やんちゃ”で「30代まで周りに反発して、人生何もかもがうまくいかなかった」と振り返る翁長さん。現状を変えようと「感謝される人になる」「頼まれごとは試されごと」など目標設定や習慣の変化に取り組むうち、少しずつ前向きになった。この経験を基に「自分でも絵本を作れないか」と考え、子どものために絵本を制作した。内容が話題を呼び、今では毎月3~4回、学校や老人施設に招かれ、読み書かせ活動をする。

「ちる~おば~の極楽人生の教え」の1ページ

 これまでに手掛けたのは初作品の「リーゼント良龍の説明書」など5作。絵は妹の瞳さんが担当する。「ちる~おば~の極楽人生の教え」では、祖母から言われた「人の悪口を言っちゃダメ」「自分に起こることは全て自分の責任」など多くの教訓をちりばめる。

 2月22日には沖縄市立比屋根小で6年生128人に読み聞かせをした。「友達を褒めることで自分も楽しくなる」「感謝される人になることが幸せの近道です」と、絵本を読みながら優しく語り掛けた翁長さん。話を聞いた比嘉文乃さん(12)は「友達の文句を言うこともあったけど、これからは友達に感謝し、家族を大事にしていきたい」と感想を語った。

 翁長さんは「子どもたちの感想を聞くとやってよかったと思う。教訓を自分に言い聞かせるためにも、今後も続けたい」と意欲を語った。