野球が居場所、監督はおやじ 真和志ヤンキースが50年 式典でOBら語り合う


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真和志ヤンキース2期生と初代監督の伊波賢勇さん(最後列の中央)。伊波さんは「おやじ」と呼ばれ、慕われていた=1971年ごろ(西銘進さん提供)

 学童野球は居場所、監督は“おやじ”―。沖縄県那覇市立真和志小学校の学童野球チーム「真和志ヤンキース」が創部されて今年で50年になる。2月17日、那覇市古島のマリエールオークパインで50周年記念式典・祝賀会が開かれ、選手OBや歴代の監督が集まり、思い出を語り合った。50周年記念誌も発行予定で準備を進めている。

 真和志ヤンキースは1969年に創部された。当時スポーツ少年団で指導員をしていた故伊波賢勇さんが「真和志陸上」を立ち上げたことがきっかけ。

 親たちは生活に忙しく、子どもたちを構うことができない時代。チームの世話も遠征時の送迎も伊波さんが1人で担った。米軍基地で働いていた伊波さんは米軍関係者から野球道具をもらったり、子どもたちを基地内のビーチパーティーに連れて行ったりすることも。いつしか子どもたちから「おやじ」と呼ばれ慕われた。ヤンキース2期生の西銘進さんは「野球チームは居場所みたいなもので、おやじはいろんな経験をさせてくれた。親のようだった」。

 創設当時は放課後に学校の運動場が使えなかったため、与儀公園で場所取りをするのがメンバーの日課だった。チームは強く、那覇では敵なしだったという。全島大会ではベスト4に輝いた。

 今は小学2~6年の部員30人とチームの運営を父母会などが支える。現監督の大見謝恒一郎さんは学童野球に携わって32年。年を経ても変わることのない指導は「あいさつ、野球ができることの感謝の気持ち、一生懸命にする、先輩を敬い後輩をねぎらう気持ちだ」と語った。