社会

寒さ、銃を持った米兵が監視…8時間の拘束「苦痛だった」 芥川賞作家の目取真俊さん 辺野古拘束違法判決 地位協定見直し求める

判決後、会見する目取真俊さん(中央)と弁護人ら=19日、那覇市の沖縄弁護士会館

 「海上保安官の身柄引き受けは合理的理由のない遅延があり、引き続く緊急逮捕は違法」。平山馨裁判長が判決の要点を読み上げると、原告の目取真俊さん(58)=名護市=は弁護士らと握手を交わして喜びを分かち合った。沖縄県名護市辺野古の新基地建設への抗議活動中、米軍に長時間拘束され海上保安官に緊急逮捕された目取真さんが、国に損害賠償を求めた訴訟。逮捕の違法性認定を勝ち取り、新基地建設に反対する思いを新たにした。

 判決によると、目取真さんは辺野古沖の臨時制限区域内の浅瀬で拘束された後、2時間程度の時間をかけて米軍キャンプ・シュワブ内に連行され、ぬれたウエットスーツからの着替えも許されないまま、憲兵隊事務所内にとどめ置かれた。長いすに座らされ、正面約2メートルの距離で拳銃を携帯した米軍の警官に常時監視された。寒さに耐えられず体を温めるため、立ち上がって運動することもあった。

 判決は米軍に約8時間拘束された目取真さんを「寒さや不安、恐怖による精神的苦痛を感じる状況に長く置かれた」と認定した。長時間の身柄拘束を許した中城海上保安部の過失を認めた。

 判決を受け、目取真さんは「外部と全く連絡が取れず弁護士とも相談できない孤立した状態だった。銃を持った米兵と一緒は苦痛で緊張感を強いられた」と批判。「米軍基地内は治外法権で異常だ。境界線もはっきりしない場所で拘束され、(有罪でも)たった1年以下の軽い刑で緊急逮捕されることもおかしい。基地内であっても弁護士と接見できるよう地位協定を変えてほしい」と訴えた。

 代理人の齋藤祐介弁護士によると、ほかにも、同種事案で4時間拘束された例があったという。齋藤弁護士は「今後同様なことが起こった場合に、この判決は重要な参考になる」と評価した。新垣勉弁護士も「今後の市民の運動に関して国に教訓を与える判決だ」と指摘した。