辺野古撤回停止訴訟で第1回口頭弁論 市民「国手続き違法」 取り消し求める


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 名護市辺野古の新基地建設を巡り、国土交通相が県による埋め立て承認撤回の効力を止めた決定は違法だとして、新基地建設に反対する埋め立て海域周辺に暮らす名護市民16人が国を相手に決定の取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、那覇地裁(平山馨裁判長)で開かれた。国側は原告らの保護されるべき利益が不明確で、訴える資格がないとして訴えの却下を求めた。判決までの執行停止申し立てについても却下を求めた。

 意見陳述した名護市汀間の松田藤子さん(78)は、埋め立て工事で「風景が一変した。海が壊れていく様子を見て悲しい」と心情を述べた。

 汀間区が新基地建設に反対を決議したことなど説明し「新基地は戦争へ向かうレールに見えて仕方ない。基地が造られてしまったら美しい風景の大浦湾が消える。埋もれた生き物たちの地獄を見せつけられ、心が曇る日々になってしまう。新たな基地建設は許さない」と訴えた。