不発弾の磁気探査などを手掛ける沖縄計測(沖縄市、玉城幸人社長)は、磁気探査のデジタル化に取り組んでいる。磁気探査の記録は調査現場で紙に出力するのが通常の方法だが、パソコンへの出力を可能にした。現場から事務所へのデータ送信が可能になったため、現場で作業を続けながら事務所で報告書作成ができるようになった。また、記録にかかっていた膨大な紙とペン芯が不要になり、コスト削減となった。
不発弾の検出調査は、調査地点上で磁気に反応を拾うコイルを動かし、その反応を記録計の紙に出力する。同社の場合、紙とペン芯だけで年間約100万円はかかり、一つの現場で20万~30万円分を消費することもあるという。これらをすべてパソコン出力に変えた。
データの蓄積に関しては、膨大な量の紙をコピーするには時間と費用がかかるため難しく、調査の発注先へ記録を提出する義務があるため、手元にデータが残らないという問題があった。パソコンに記録すれば簡単にコピーでき、記録を残せる。
現在は、データの解析のAI化に取り組んでいる。紙に記録したデータは、人が目盛りを数えるなどして深さや磁気の強さを解析するため、作業員の負担となっていた。これらをパソコン上で自動解析できる仕組みづくりを目指している。
玉城社長は「不発弾処理はあと70~80年はかかるといわれているが、30年で終わらせたい。コストや時間を削減した分、人材育成にも充てることができる」と話した。