沖縄電力が2年ぶり首位 沖縄の企業売上高ランキング 観光や小売業が好調 上位100社合計は前年比5・1%増の過去最高2・2兆円


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2018年県内企業売上高ランキング(上位100社)、増収率上位10社、業種別増収・減収率 クリックで拡大(PDFファイル8.40MB)

 東京商工リサーチ沖縄支店は2日、2018年の県内企業売上高ランキング(金融業除く、18年1~12月期集計)を発表した。ランキング上位100社の売上高合計は前年比5・1%(1076億1200万円)増の2兆2371億2500万円で、1988年の集計開始以降で過去最高を更新した。売上高トップは沖縄電力で2年ぶりの首位となった。売上高が100億円を超えた企業も過去最多だった。

 国内外から沖縄を訪れる観光客は増加傾向にあり、観光業や小売業を中心に好調に推移している。県内ではホテルやマンションの建築需要も底堅く推移しており、建設業や建設資材関連の事業者の売上高を押し上げた。

 ランキングトップの沖電は販売電力量が減少したものの、石油や石炭の燃料価格上昇分を電気料金に転嫁して増収となった。

 前年、初の首位となったサンエーが2位につけた。県産品やプライベートブランドの販売強化に加えて、外国人観光客の商品購入が増加した。3位は沖縄徳洲会で、県外でのクリニック開設など事業規模を拡大した。4位はイオン琉球、5位は沖縄ファミリーマートで、ともに新規出店効果などが増収要因となった。

 売上高が100億円を超える企業は69社で、前年より2社増加した。増収企業は前年比13社増の78社で、減収企業は同13社減の22社だった。

 上位10社の売上高合計は9316億4200万円で、全体に占める構成比は41・6%だった。

 今後の見通しについて、東京商工リサーチ沖縄支店は「沖縄の経済は好調で観光も建設も伸びている。消費増税が控えているが、大きな落ち込みはないと見ている」と分析した。

◆増収伸び率2桁企業は24社 公共事業や民間工事の受注増で建設業関係が上位占める

 売上高ランキングの増収企業78社で、2桁以上の伸び率があった企業は前年より4社増の24社だった。公共工事や民間工事の受注増加などにより、建設や建設資材関連の企業が増収率上位を占めた。

 増収率のトップは那覇鋼材の28・5%で、建設需要の拡大で鉄筋や鋼材、仮設資材などの販売が好調に推移した。2位は国場組の26・2%で、旭橋都市開発やサンエー浦添西海岸パルコシティなどの事業があった。3位の大米建設は25・6%で、県立八重山病院の新築や那覇空港第2滑走路などの大型工事があった。

 4位の沖縄出光は原料価格の高騰を売値に転嫁したことで過去最高の売上高となった。5位の沖縄砂利採取事業は那覇空港第2滑走路の新設など公共工事関連の出荷が増えた。

◆業種別では建設資材が増収率1位 活発な建設需要で対象10社全てが増収

 売上高ランキングを業種別で見ると、全17業種のうち14業種が売上高を伸ばした。前年より2業種増えた。増収率トップの業種は建設資材の12・8%で、好調な建設需要を取り込んだことで対象10社全てが増収となった。2位はエネルギーの11・8%で、燃料価格が高騰したことで売値が上昇した。3位はリース・クレジット・信用保証の9・7%だった。

 那覇空港ビルディング1社のみが対象となった不動産・物品賃貸は増収率8・4%だった。国内客や外国客の乗降客数が増加して、テナントの家賃収入や国際線旅客ターミナルビルの施設使用料収入などが伸びた。

 輸送は対象4社全てが増収で、同5・1%となった。県内景気の拡大や観光客の受け入れ増加で貨物の動きが活性化した。

 小売店は増収率2・7%だった。新規出店を続けている企業を中心に増収となった。病院は同3・5%で、高齢化社会を背景に対象7社全てが増収だった。