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駅、高速IC 浦西エリアが交通の要所に 隣接の西原町にも波及 人口増見込み、不動産も活発 モノレール延伸(2) 〈熱島・沖縄経済〉15


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沖縄都市モノレールのてだこ浦西駅に近く、区画整理事業が進められているエリア=西原町

 沖縄都市モノレールを使えば、那覇空港からてだこ浦西駅まで38分。沖縄自動車道に新設予定の幸地インターチェンジ(IC)を活用すれば、名護市から車で約50分。浦西駅の周辺エリアは県内各地からアクセスのしやすい、交通の要所として生まれ変わる。利便性が高まり、県内各地から人が集まる地域になることが見込まれる。今後の発展への期待は浦西駅周辺にとどまらず、隣接する西原町にも広がる。

 幸地ICは2024年の供用開始を目指して整備が進められている。沖縄自動車道と浦添西原線(県道38号)を連結して、浦西駅までつながる道路が設置される。同駅には約千台が収容可能なパークアンドライド駐車場の建設計画がある。中北部から那覇市へ向かう際、同駅で車からモノレールに乗り換えることで、市街地の渋滞緩和などの効果が期待できる。モノレールの延長や幸地ICの供用開始を見据え、西原町にマンションを展開する事業者も出ている。

 「ゆいレールてだこ浦西駅まで徒歩8分」。沖建住宅(那覇市)が西原町翁長で分譲したマンション「アーバンパレット翁長てだこ浦西駅」は、駅から近距離にあることを前面に押し出した。「モノレールだけではなく、幸地ICができることで利便性は高くなる。将来この地域が発展することを前提にマンションの建設計画を進め、販売をした」。同社住販部の楊少文係長は、浦西駅周辺と西原を含めたエリアの可能性を評価する。同マンションは完成後、1年以内に完売した。楊氏は「駅の周辺には商業施設もできる予定だ。いずれは那覇新都心のようになってほしい」と願っている。

 県内の不動産関係者は「モノレールや幸地ICが活用されることで、土地の価値も上がっていくだろう」と見ている。浦西駅に近い西原町の翁長、棚原、徳佐田を含む23・7ヘクタールの地域でも区画整理事業が進められており、住宅地や商業エリアを整備する予定となっている。那覇市や浦添市など都市部で人口が増加し、住宅地の確保が困難になる中で、近年は中城村南上原など周辺町村の人気も高まっている。別の不動産関係者は西原の開発地域について「那覇や浦添などのように人口が増える可能性は高い」と指摘する。

 モノレールの延長、駅の開設、幸地IC設置と複数の条件がそろい、浦西駅周辺と西原町は激変する。県内経済関係者や地元関係者は「(駅の近郊は)ポテンシャルの高い地域だ」と太鼓判を押す。将来の発展を見据えた投資が続くとの見方は強く、今後どのような計画が持ち上がるか注目されている。

(「熱島・沖縄経済」取材班・平安太一)

(琉球新報 2019年2月21日掲載)