玉城デニー知事、尖閣発言を撤回 石垣市議会の抗議受け「誤解与えかねない」


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玉城デニー知事

 【石垣】石垣市議会(平良秀之議長)は17日、6月定例会で、尖閣諸島を巡る玉城デニー知事の発言に対する抗議決議を賛成12、反対8の賛成多数で可決した。玉城知事が5月31日の定例記者会見で、尖閣周辺領海内で中国公船が八重山漁船に接近したことについて問われ「中国公船がパトロールしているので故意に刺激することは控えなければならない」との発言に抗議し、撤回を求めた。

 決議案は与党の石垣亨氏が提出した。

 これを受け玉城知事は17日、県庁で会見し「尖閣諸島周辺海域が日本の領海ではない、との誤解を与えかねないものであり、尖閣諸島に関する私の認識とは異なるものである」として発言を撤回した。

 決議文では発言について「知事にとって尖閣諸島周辺海域は日本の領海ではないのかとの認識なのか、という疑念を払しょくできない」と批判。尖閣諸島が石垣市の行政区域だと明確に示すことが「県民の生命財産を守り、安心安全を取り戻すための最善の方策だ」と強調している。

 玉城知事は会見で自身の発言について「中国公船による領海侵入を許容するものではなく、事態をエスカレートさせないようにという趣旨だ」とし「平和的な外交・対話を通じて一日も早い解決が図られるよう、日本、中国の両政府に全力を尽くしてもらいたい」とコメントした。