辺野古埋め立て用土砂の受注額、国算定と完全一致 見積もり前に価格決定


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作業が進む辺野古新基地建設埋め立て区域=13日午前、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影)

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設で、沖縄防衛局が埋め立て用土砂(岩ずり)を護岸用土砂の約3倍の価格で発注していた問題を巡り、防衛局が業者に見積もりを依頼する前に算定した価格と業者の受注価格が完全に一致していたことが24日、分かった。価格は1立方メートル当たり5370円。防衛局が見積もりのための価格調査を開始する、少なくとも1週間以上前には価格が設定されていた。高価な価格設定だけでなく、公共事業の手続きなどでも疑義が生じることとなった。 

 沖縄平和市民連絡会メンバーで土木技師の北上田毅氏が情報公開請求で入手した資料で判明した。

 沖縄防衛局は本紙の取材に「入札手続きを開始した17年11月時点では、当該岩ずりの単価は記載されていなかった。18年1月25日に特記仕様書を修正し、単価を追記した」と回答した。

 防衛省の内規では、材料単価の算定は原則3社以上から見積もりを集めることを定めている。辺野古埋め立て用の土砂を巡っては、防衛局から依頼を受けた調査会社が13社に見積もりを依頼したが、回答は1社だけで、その会社が受注した。

 沖縄大・沖縄国際大特別研究員の宮田裕氏は「公共事業は見積もり以前に価格が決まることはあり得ない」と指摘した。