ピース・又吉直樹が感じる「沖縄」、人々の暮らしをつづる意味


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移りゆく景色や町並みについて語り合うライターの橋本倫史さん(左)とお笑い芸人で作家の又吉直樹さん=27日午後、那覇市泉崎の琉球新報2階ギャラリー

 沖縄県那覇市の第一牧志公設市場周辺で働く人たちの物語を描いた本「市場界隈」の出版を記念したトークイベント(本の雑誌社主催)が27日、那覇市泉崎の琉球新報社で開かれた。著者の橋本倫史さんと芥川賞作家でお笑い芸人の又吉直樹さんが、市場など沖縄の景色や人について語った。又吉さんは「そこに暮らす人そのものが沖縄だと思った。沖縄は大好きだからもっと来たい」と話した。

 父親が名護市出身の又吉さん。公設市場に家族と一緒に来たことに触れ「大阪の市場とは違う“アジア”という感じ」と振り返った。「沖縄の戦後が続いていて、そこをちゃんと見なあかんという視点が近い」と指摘。歴史を残す際に「劇的なことを語ってしまうが、その間の日常こそが貴重だ」と語った。橋本さんは「(現市場での営業を終えて)市場周辺の人の流れが変わっている。その後も続いていく風景についても何か書かないといけない」と話した。