沖縄の和牛専門店がかき氷を販売する理由 難病の子の支援に寄付「支えてもらったから…」


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ミルク味の氷にマンゴーとマンゴーソースをトッピングした「沖縄アイスかき氷」

 【うるま】平安座島の和牛専門店「肉や食堂 in へんざ」で、難病の子を支援するチャリティーかき氷が人気だ。オーナーの南亜裕里さん(48)家族は大阪で国産牛の卸売業を営んでいたが、亡夫の夢であった沖縄へ移住し2018年10月に店舗を開店した。

 しかし開店直前に大型の台風24号が島を襲い4日半の停電となり、オープン用に仕入れていた国産牛を全て廃棄する被害に遭った。

 移住後間もなく知人も少なかったが、被害を聞きつけた平安座自治会の五嶋眞智子会長や友人たちが電話やSNSなどで来客を呼び掛けたところ、平安座島のみならず浜比嘉島や周辺からも客が駆け付け、連日満席の大盛況。大阪の大学を休学しながら店を手伝う長男の雄大さん(20)は「これからは僕がお店に関することを勉強して、立て直していけるように努力したい」と母を気遣う。

(左から)母親の南亜裕里さん、和牛を持つ雄大さんと、かき氷を持つ一誠さん

 また南さんの次男、一誠さん(18)は先天性の心臓病で生後間もなく手術の合併症のため出血性脳梗塞に。難病の一誠さんが小学校5年生の頃、公益社団法人の「難病の子どもとその家族へ夢を」からディズニーランド旅行の招待を受けた。南さんは支えてもらった同法人を支援するためミルク味の氷にマンゴーとマンゴーソースをトッピングした「沖縄アイスかき氷(480円)」を委託販売し、全額寄付している。

 A5クラスの国産牛をリーズナブルな値段で提供する人気店舗だが、南さんは「かき氷をぜひ食べてほしい」と呼び掛けている。問い合わせは肉や食堂(電話)090(8823)7130。
 (喜納高宏通信員)