社会

85歳母親殺害容疑で刑務官の男を逮捕 那覇署 「刺した」と供述

母親が遺体で発見された自宅=17日正午ごろ、那覇市安里

 那覇署は17日、沖縄県那覇市安里の4階建て住宅の一室に住む母親(85)を刃物で刺して殺害したとして、殺人容疑で同じ建物の上階に住む沖縄刑務所の刑務官(56)を逮捕した。男は「母親を刺した」などと容疑を認めている。同署が動機などを詳しく調べている。勤務する同刑務所によると、男は同刑務所処遇部の一般職員で、受刑者の看守をしていたが、今年5月ごろから病気休暇を取得していたという。

 逮捕容疑は16日午後4時ごろから17日午前7時55分ごろの間、那覇市安里の自宅で母親の首や胸を刃物で複数回刺して殺害した疑い。親族から「(母親が)血だらけで倒れて、呼吸をしていない」との119番通報があり、事件が発覚。母親は搬送先の病院で死亡が確認された。那覇署が男を任意同行を求め、事情を聴いたところ犯行を認め、現場の状況に不自然な点がなかったため緊急逮捕した。

 県警によると4階建ての自宅は2世帯住宅で、2階には母親が1人で住んでおり、男の家族は3、4階に住んでいた。母親はベッドに倒れていたという。事件後、自宅からは凶器とみられる包丁が見つかった。

 県警は18日に母親を司法解剖して、詳しい死因を特定する。

 沖縄刑務所処遇部の黒木昌彦部長は「職員が殺人容疑で逮捕されたことは誠に遺憾。現在は捜査機関が捜査中で、事実関係が判明次第、適切に対応していく」とした。

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「口論聞こえた」事件驚く住民

 那覇市安里の閑静な住宅街に、早朝からけたたましく鳴り響いたサイレンの音。人通りの少ない道沿いにある4階建て2世帯住宅で発生、沖縄刑務所の刑務官が逮捕された刺殺事件に、周辺住民からは「こんな事件は初めてだ」などと不安の声が上がった。また母親の知人らは「親子関係がうまくいっていなかった」などと語り、痛ましい事件の発生を悔やんだ。

 刺殺された母親(85)は17日早朝、自宅寝室のベッドに血まみれで倒れているのを発見された。母親が住む2階から息子の男(56)が住む3階に上がる階段の手すりには、複数の血痕が生々しく残っていた。血まみれの母親が発見された時、息子は3階にいて、警察官に母親を刺したことを認めた。

 母親について、友人の女性(80)は「おとなしく、いつもにこにこしていた」と語った。母親は約5年前に夫を亡くしており、それ以降、男との親子関係はうまくいっていなかったという。母親は時折「子どもは難しい」などと漏らしていた。また親戚からは「最近(男の)言動や様子がおかしい。ずっと下を向いて歩いている」などと心配する声も出ていた。

 母親が通っていたデイサービスを利用する女性は「昨年末から母親が姿を現さなくなり、心配していた。事件の報道を見て驚いた」と語った。

 近所の男性(74)は「朝早く新聞を取りに外に出たら電気がついていた。口論のような声が聞こえた」と話した。男性は以前にも言い争うような声を聞いたことがあるとし、「家族間で何らかのトラブルがあったのではないか」と推察した。その上で「70年以上この地域に住んできたが、こんな事件は初めてだ。一日も早く真相解明してほしい」と話し、事件現場となった2世帯住宅をじっと見つめた。