「沖縄型」ゼロエネ住宅開発へ 琉大と18社 実験棟が完成


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テープカットを行った琉大と協力企業関係者ら=25日、西原町の同大(同大提供)

 琉球大学と沖縄県内外18社が連携して沖縄の気候に適した住宅を開発する「ゼロエネルギーハウス(ZEH)」プロジェクトの実験棟が完成し、25日に西原町の琉球大学構内で披露式典が開かれた。1年後にZEHに必要な装備をすべてそろえ、5年後をめどに沖縄の気候に最も適したモデルの完成を目指すという。

 ZEHは太陽光発電などの再生可能エネルギーをつくることで環境に優しいだけでなく、温度や湿度が一定に保たれることで快適に過ごせる住宅。従来のエコ住宅とは違い、結露やカビもほとんど発生しないという。

 木造が前提のためコンクリート建て住宅が主流の沖縄では普及率が低い。県内企業にもZEH建築のためのデータやノウハウがほぼ無い状態で、省エネ関連資材の販売などを手掛けるフロンティアーズ(沖縄市)などから琉大にZEH研究を依頼した。既存の住宅もZEH化できる技術の開発を目指している。

 実験棟はコンクリート造1階建てで、広さは約20坪。建物の半分のみに断熱材や木造の屋根を用いており、一般的な造りの部屋と温湿度差などを比べて基礎的なデータを収集していく。見学可能で、一般向けの宿泊にも開放して研究に反映させていくという。

 中心となる琉大理学部の眞榮平孝裕教授は「研究成果が沖縄の住環境に生かせればいい」と期待し、フロンティアーズの伊藝直社長は「これからさらに協力していきたい」と話した。