辺野古の現状、米で発信 県系2世の高校生与那嶺さん 各地で自作映像上映


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 新基地建設が進む沖縄県名護市辺野古の現状と、それに反対し続ける県民の姿を描いた短編ドキュメンタリー作品「我した島ぬ宝(私たちの島の宝)」の上映会が、現地時間の26日、米カリフォルニア州オークランドで開催された。上演後、映像を制作したオレゴン州ポートランド在住で県系2世の高校生、与那嶺海椰さんがビデオ電話で登場すると、観客から大きな拍手が送られた。

 上映会はシカゴやホノルルなどに続き4都市目。会場には地域住民や県人会メンバーなど約50人が集まり、約30分の作品を真剣な表情で視聴した。

 企画したハワイ出身の県系3世ウェスリー上運天さん(58)は「方言札の歴史が物語るように県民は長い間沈黙を強いられてきたが、今、若い世代が声を上げ始めた。その声を映像メディアで発信する与那嶺さんの存在はとても大事だ」と若者の発信とソーシャルメディアでの広がりに期待を込めた。

 作品は現在ウェブ上で公開されており、ソーシャルメディアでは#RISEFORHENOKO(辺野古のために立ち上がろう)のハッシュタグで基地建設中止を呼び掛けている。

 上映会に駆け付けた県系4世の大学生、スティーブン与儀さん(23)は米市民は沖縄の米軍基地の現状をほとんど知らないと指摘した上で、「だからこそ情報を広げ、問題意識を共有することが大事。まずは対話の機会をつくりたい」と話した。
 (大矢英代通信員)

ポートランドの自宅から会場の質問に答える与那嶺さん=米カリフォルニア州オークランド
与那嶺さんに質問をする米国人男性(最前列)と上映会に参加した地域住民ら=米カリフォルニア州オークランド