「国の責任問い続けたい」戦没者遺骨のDNA鑑定に向け説明会


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DNA鑑定の申請方法を説明する「ガマフヤー」の具志堅隆松代表=28日、那覇市

 国が実施している戦没者遺骨のDNA鑑定に集団で申請しようと、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」は28日、沖縄県那覇市で説明会を開いた。5回目の今回は約20人の遺族が参加。ガマフヤーの具志堅隆松代表は「遺骨収集とDNA鑑定は国民を戦死させた国の責務。最後まで国の責任を問い続けたい」と語った。集まった申請は8月14日に厚生労働省に提出する。

 具志堅代表は「遺族の高齢化が進んでいる。遺骨だけでなく申請者も増やさなければならない」と話す。

 説明会に参加した読谷村の高校教諭知念勝美さん(49)は母勝子さん(88)の父の遺骨を探している。父は14歳だった勝子さんと名護市の多野岳付近で生き別れ、消息が分かっていない。形見のコートを今も大切に保管しているという。知念さんは「母は『もうすぐあの世で会うから』と言うけれど、見つかれば絶対に喜ぶはず」と望みを託す。

 説明会の質疑応答では、DNA鑑定に関して国や県の広報が不足しているという意見も出た。参加者は「県に積極的な広報を求める」とする決議を採択。具志堅代表が週内にも県に申し入れるという。

 鑑定申請の問い合わせはガマフヤー(電話)090(3796)3132。