那覇空港の国際貨物が3割減 ANAの貨物便減が影響


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 国土交通省がまとめた2018年度の那覇空港国際貨物取扱量(速報値)は前年度比33・3%減の12万174トンで、2年連続で減少した。全日本空輸(ANA)が同空港で国際貨物ハブ事業を開始した09年以降で2番目に少ない水準。ANAの貨物便が17年に週30便、18年に週20便が減便となった影響が大きく、18年度は全ての月で前年同月の輸送実績を下回った。

 県によると貨物量が大きく減少した要因は減便に加え、昨年9月に関西国際空港が台風で約1カ月閉鎖されたことや米中貿易摩擦の影響などがあるという。

 県は国際物流を観光、情報通信に次ぐ第3のリーディング産業に位置付けている。県21世紀ビジョン基本計画で21年度までに国際貨物取扱量年間40万トンを掲げているが、達成は厳しくなりそうだ。

 国土交通省大阪航空局の資料によると、那覇空港の国際貨物取扱量はANAの事業が年度途中に始まった09年度の5万1839トンを除くと、17年度まで13万9千~19万6千トンで推移してきた。この間、国内貨物は21万~22万トン台で推移している。

 18年度の国内・国際貨物の合計は前年度比17・9%減の32万9337トンとなっている。国内貨物のみで見ると同5・4%減の20万9163トンで、国際貨物の落ち込みが全体の減少幅を押し上げた格好だ。

 県アジア経済戦略課の仲栄真均課長は「国際物流は県アジア経済戦略構想で1丁目1番地に掲げる重要政策であり、落ち込んだのは残念だ。海外航空会社の誘致や新規事業に取り組み、現状を打開する努力をしたい。21年度に40万トンの目標達成は不可能とは思っていない」と述べた。