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【ブラジル】「事件繰り返さない」 サントス事件 ミサで祈りささげる

二度と犠牲が起きないようにと祈りをささげるミサの様子

 サンパウロ市セー地区聖ゴンサーロ教会で7月14日、1943年に起こったサントス強制退去事件を忘れないためのミサが催された。神父の山本アントニオ伊三男さん(66)が執り行い、「サントス事件のようなことが起きないように」と祈りをささげた。

 サントス事件とは、第2次世界大戦中の43年、日本やドイツなど、南米ブラジルに移り住んだ枢軸国民らが強制退去させられた事件。ミサは奥原マリオ純さん(44)=本部町3世=が聖母婦人会(畑中アリッセ会長)に働き掛けて行われるようになった。今回で4回目。

 ブラジル沖縄県人会の代表として出席した宮城あきらさん(82)=本部町出身=はあいさつで「罪もない皆さんに24時間以内に退去せよと命令があり、サンパウロ奥地で苦難の生活を強いられた。社会ではその人々に対し何の問い掛けもなく時が過ぎてしまった。多くの県人の皆さんには頼れる人もおらず、奥地に送られ、自力で再起を図った。その人々の努力を社会が認めることはなかった。政府の謝罪の言葉がなかった」と説明。


ミサで祈りをささげる奥原さんら

 2016年に沖縄県人をはじめ、585世帯の名簿が発見され、沖縄県人会も名簿を頼りに証言を集める活動を展開。政府に謝罪を求め、強制退去のようなことが二度と起きないように、沖縄県人会を中心に奥原さんと共に努力している。宮城さんは「教会の皆さんが戦争の犠牲が起きないように祈りをささげることにとても感謝している。共に頑張っていきたい」と語った。

 (城間セルソ明秀通信員)


(2019年8月4日付 琉球新報/朝刊/7頁/国際 掲載)