ウチカビってなに? 旧盆前に読谷の子どもたちが学習会


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
配られたヒラウコーを手にじっくり観察したり、匂いをかいだりする児童ら=9日、読谷村座喜味のユンタンザミュージアム

 子どもたちにしまくとぅば(沖縄言葉)を通して、沖縄の旧盆(シチグヮチ)の風習を学んでもらおうと、沖縄県読谷村史編集室は9日、村史調査員の宮城昭美さん(66)を講師に特別学習会をユンタンザミュージアムで実施した。参加した子どもたち22人は、なぜお盆に家族そろって先祖を迎えるかを知り、民話を通して供え物の意味などを楽しく学んだ。

 「ご先祖さまをお迎えする『ウンケー』に食べるものは何かな?」

 宮城さんは、読谷で伝え継がれている民話を紹介。夫と子どもを相次いで亡くし悲しみに暮れていた女性がウンケーの直前、亡くなった2人のためにごちそうを準備をするよう神様に諭され、あり合わせの食材で炊き込みご飯を作ったことが「ウンケージューシー」の由来だといわれていると紹介した。

 また、子どもたちに6本が1平になったヒラウコー(線香)や、ウチカビ(あの世のお金)を配り、使い方や意味を紹介した。喜名小3年の松田大地さん(9)は「昔話がどれも面白かった。もっと沖縄の風習やしまくとぅばを学びたい」と目を輝かせた。

 宮城さんは旧盆は先祖代々受け継がれてきた沖縄の大切な行事で「大人でも意味や由来を知らない人は多い。学んだことを教えてあげよう」と呼び掛けた。(当銘千絵)