台風停電の夜 発電機使い1人生放送 エフエムみやこ社長「ラジオを通して届く声で少しでも気を楽にできれば」 リスナー「声を聞けて安心」


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停電が続く中、生放送でリスナーのメッセージを読み上げる黒澤秀男さん=9日午前、宮古島市平良のエフエムみやこ

 【宮古島】今月8日から9日にかけて、猛烈な台風9号の接近で激しい雨風に見舞われ大規模な停電も発生した宮古島。不安な夜に、「エフエムみやこ」社長でパーソナリティーも務める黒澤秀男さん(56)は停電しているブースで発電機を稼働させ、台風情報を発信し続けた。「こんな時だからこそつらさを共有して、ラジオを通じて届く声で少しでも気を楽にするお手伝いをできればと思って」と語る。

 エフエムみやこは8日午後11時40分ごろから停電した。黒澤さんはスタッフを帰宅させて、1人で残り、1時間おきに最新の台風情報をリスナーに届けた。

 エフエムみやこの放送は昨年からインターネットでも聞くことができるようになっている。暴風域を抜けた9日朝の生放送番組中には、スマホや車で番組を聞いたリスナーから「黒澤さんの声を聞けて安心している」「停電中ですが、声から元気もらってます」などと感謝と激励の声が多数寄せられた。

 黒澤さんは「皆さんの反応が何よりうれしい。やって良かったと思えるし、またやろうって気になるね」と笑顔を浮かべた。