農業分野の日米貿易交渉にJAおきなわ理事長が望むこと


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インタビューに答えるJAおきなわの普天間朝重理事長=16日、那覇市壺川のJA会館

 6月にJAおきなわの理事長に就任した普天間朝重氏が16日、那覇市壺川のJA会館で就任インタビューに応じた。農業分野で米国から攻勢を掛けられている日米貿易交渉について「もともとTPPやEPAに反対だ。発効してしまったからには、政府にはしっかりとした国内対策をとってもらう必要がある」と指摘し、国内農産品に打撃となる大幅な対米関税の引き下げをけん制した。

 沖縄への影響では輸入肉が増えることによる畜産業への影響を警戒し、「安価な輸入肉を選ぶのかは消費者に委ねる。しかしJAおきなわとして地産地消を強くPRして、安心安全な県産農作物を売り出していく」と強調した。

 新理事長としてのかじ取りは「協同組合としての役割を沖縄から発信し、社会的弱者に頼られる農協であり続けるよう努める」と抱負を述べた。

 中でも「離島対策をどうするかが重要だ。離島の農業は離島に住む全ての人を支えている」と指摘し、農家の高齢化や人口減少で離島の農業生産基盤が弱体化していることに強い危機感を示した。

 沖縄の基幹作物であるサトウキビ生産の8割、肉用牛の7割を離島地域が担っていることから、流通条件不利性解消事業や災害に強い施設の導入など、離島農業を維持するための政策の拡大を県や国に働き掛けていく姿勢を見せた。