女児聴き取りせず 千葉小4虐待死 糸満要対協が課題指摘


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 【糸満】千葉県野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が1月に死亡した虐待事件を受け、一家が以前暮らしていた糸満市の対応を検証している市要保護児童対策地域協議会(要対協)は28日、上原昭市長に中間報告をした。元中央児童相談所所長で要対協代表者会議の島袋裕美会長は、主な課題として(1)DV(ドメスティックバイオレンス)が子どもに与える影響への認識が弱かった(2)横断的な連携不足(3)子ども自身から状況を聴き取れていない―の三つを挙げた。

 島袋会長は、市当局と学校などで組織的な仕組みが弱く、責任の所在が見えにくかったことなどを指摘。家族の問題全体を各組織が共有する仕組みづくりなどの検討も示唆した。防止策などを加えた最終報告を本年度中にとりまとめたい考えだ。

 中間報告は非公開で行われ、上原市長は「担当課から十分説明を受けていない。詳細を読んでから(答えたい)」と述べるにとどめた。市は、30日に市議会の総務委員会と民生委員会の連合審査会で中間報告について説明する。

 有識者らで構成する要対協は2月以降、実務者会議5回、代表者会議を4回開き検証した。関係機関などにヒアリングした。当初5月に中間報告を予定していたが、作業が遅れていた。