沖縄に増産拠点検討 ブイ・テクノロジー、ナノシステムソリューションズと連携強化


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ブイ・テクノロジーの杉本重人社長(中央)と握手するナノシステムソリューションズの稲住仁社長(左)、芳賀一実取締役=4日、県庁

 液晶ディスプレーや半導体製造関連装置開発などのブイ・テクノロジー(神奈川県)は4日、県庁で記者会見し、半導体製造・検査装置の開発、設計などのナノシステムソリューションズ(うるま市)の完全子会社化を発表した。今後は両社の技術を生かし、半導体分野などに関する最先端の装置開発などを進める。

 沖縄に半導体や液晶ディスプレーなどのフラットパネルディスプレー(FPD)関連装置の増産拠点を設置することを検討しており、県や関係機関に支援を求める。理工系大学卒業者らが県内で働ける環境を整備することを視野に、装置制御や画像処理のソフト開発などを進める「ソフトウエア開発センター」の設置も検討している。

 ブイ・テクノロジーの杉本重人社長は「2社の技術力を合わせることで客の要請に応える製品が生み出せる。沖縄にソフトウエア開発の一大拠点をつくれれば、県経済の発展にも貢献できる」と語った。

 ナノ社は半導体の材料となるシリコンウエハーの傷などを検査する装置や、シリコンウエハーにさまざまなパターンを露光できるマスクレス露光装置を主要製品としている。今後、製品の国内販売強化、海外展開に取り組み、新装置の開発も進める。

 ナノ社の2019年12月期の売上高は20億円、営業利益は3億円を見込む。子会社化による連携強化などで3年後の22年12月期には売り上げ、利益とも3倍にすることを目指す。