SDGs 島ぐるみで 「取り残さない社会」議論


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着席者の話に聞き入るSDGs県民円卓会議の参加者ら=28日、那覇市の県立図書館

 沖縄らしいSDGs(持続可能な開発目標)の在り方を県民ぐるみで議論しようと、「SDGs普及推進のための県民円卓会議」が28日、那覇市の県立図書館で開かれた。初めての開催となった円卓会議には約80人が参加。「だれ一人取り残さない社会を沖縄からつくるために必要な取り組みとは?」をテーマに、県のSDGsに関する万国津梁会議委員長を務める琉球大教授の島袋純氏が、有識者や来場者と活発な意見を交わした。

 円卓の着席者は島袋氏のほか、県企画部企画調整課班長の平良秀春氏、恩納村役場企画課係長の當山香織氏、琉球新報編集局次長の島洋子氏、琉球朝日放送ニュースデスクの島袋夏子氏、JICA沖縄所長の佐野景子氏の6人。みらいファンド沖縄副理事長の平良斗星氏が司会進行を務めた。

 参加者からは、人権や共生など既に実践している取り組みも多いことを知ることでSDGsが理解しやすくなるといった指摘や、積極的にSDGsに取り組む学校を県が認定するなど教育現場を巻き込んでいく提案などがあった。

 今回の県民円卓会議で出された意見は次の万国津梁会議で議論される。

 会場全体での意見交換では、重度知的障がいの息子が希望していた専門高校を不合格になった北中城村の仲村美和さん(51)は「玉城知事にはぜひ、誰も取り残されない沖縄をつくってほしい」と訴えた。

 仲村さんは「沖縄は高校進学率が全国最下位だが、内申点や点数が足りなかったり、面接の態度がふさわしくなかったりしたのか、定員内不合格者が出ている」と指摘。「そうした子どもたちには生きづらさや育ちづらさがあったかもしれない。それを大人が『自己責任』と言ってほしくない。子どもたちの声を拾い上げて沖縄のSDGsに反映させてほしい」と語った。